*写真:ITU World Triathlon横浜
アイアンマンレースは過去3回しか経験していませんが、トレーニング以外のレース対策のうち効果的と感じたものを紹介します。
- コナ出場権獲得ラインのタイム予測
出場権獲得を狙う選手は全員やっていると思いますが、自分の年代カテゴリーに割り当てられるスロット数とタイムの予想です。スタートリストを元に、「合計スロット数×(自分のカテゴリー選手数÷全選手数)」で大凡のスロット数を確認し、前年のリザルトから出場権獲得ラインのタイムを確認します。もちろんレース毎にコンディションは異なり、目標タイムも変わるので、日本人選手何名かをピックアップして、自分が過去に出場したことがある国内大会の出場有無をインターネットで確認し、もし同じ大会に出ていればそれを元に目標タイムと現状とのギャップも推測しました。
- スタートリストと自分のポジションの確認
レース前に公表されるスタートリストを元に、昨年の上位選手と、Ironman AWAステータスがGold/Silverの選手について、他の大会でのレース記録を確認しました。自分より実力が上の選出と、実力が拮抗する選手を確認し、自分が出場権獲得に対してどれくらいのポジションにいるかを把握しました。
2017年のマレーシアのスタートリストでは、自分より実力が上の選手は4名、拮抗する選手は9名、それに対してスロット数は5か6と推定できたので、大きな失敗がなければ出場権獲得できる可能性があると判断し、スイム・バイクで不必要な冒険はしないという戦い方を明確にできました。さらには、何名か名前とレースナンバーを覚えていたので、バイクやランですれ違う時にモチベーションを高めることができました。各選手の過去のレース結果は下記のサイトから簡単に確認できます。
- バイクコースの暗記
バイクコースについては、主要なポイントの距離と目標通過時間を暗記しています。2017年のマレーシアでは、バイク開始早々にGarminのGPSが正しく機能しなくなり、スピードや距離を把握できなくなりましたが、事前にいくつかのポイントを覚えていたので、自分の大凡のペースをつかむことができました。そういう不測の事態に対応するためにも、バイクコースは暗記しておくと便利です。
- 暑さ対策
マレーシアは特に気温・湿度が高いので、レースの2週間前からバイク練習で暑さ対策を実施しました。通常のローラー台で練習した後に暖房をつけて冬用のウェアを着て20分程度軽めのペダリングを毎日実施しました。暑さ対策の有無でタイムトライアルに10%程度のパフォーマンス差が生まれるという研究もあるようです。http://hiroakinanbu.com/?p=210
- すね毛剃り
空気抵抗7%削減されるらしいので剃りました。http://rbs.ta36.com/?p=26352
- 補給
補給では、必要カロリーとミネラルを摂取すること、それらをタイムロスにならない形で携帯・摂取することを重視しています。必要カロリーについては以前どこかでみた計算式からおよそ7700kcalと推定しました。そのうち、糖質で消費するのは80%程度(残りは脂肪)とのことなので6124kcal分が必要。体内グリコーゲンとして肝臓や筋肉などに1800kcalあるらしく、またレース前の食事で1000kcal程度摂取するので、レース中に必要な補給カロリーは3300kcal程度と推定しています。
【消費カロリー計算式】
*どこで見たのか忘れました。正しいのか不明ですが参考までにのせておきます。
スイム 約700kcal | A×体重kg×運動時間(min) A=0.140(2分10秒/100m) , 0.193(1分30秒/100m) |
バイク 4100kcal | A×体重kg×運動時間(min) A=0.1575(時速25km) , 0.1775(時速30km) , 0.2028(時速35km) |
ラン 2900kcal | A×体重kg×運動時間(min) A=0.1358(7:00/km) , 0.193(5:30/km) , 0.228(4:20/km) , 0.252(3:45/km) |
【IMマレーシアでの補給】
スイム | トップスピード2本(スイムの開始前と終了後に摂取) |
バイク | スポーツようかん7本(1200kcal) Mag-on10本(1200kcal、ランニング用のウェストバッグに入れる) トップスピード3本(90分に1本) トップスピードタブレット(ミネラル補給し痙攣を防ぐため。エイドで水をもらいバイクのフレーム内蔵型ボトルで溶かす) |
ラン | トップスピード5本 Mag-on3本(360kcal) |
- レース前の現地での食事
現地入りしてからは、夕食以外は全て日本から持って来たアルファ米とレトルト食品、缶詰で食事をしています。極力、日本にいる時と同じ食事をしたいのと、買い出しやレストラン探しに気を使いたくないためです。夕食は家族と旅行を楽しむために現地のお店で食事しますが、レース前日の夕食は17時くらいに部屋でアルファ米中心の食事をして、19時過ぎには寝ています。https://www.onisifoods.co.jp/about/index.html
- レース前の現地での過ごし方
現地到着後は全ての行動を早めに済ませています。チェックインやバイク預託、当日朝の移動などは全て一番乗りするくらいの時間で対応し、問題が起きても慌てずに済むようにしています。当日の朝は早めにレース会場での準備を終え、スイムまでの時間は座って休みながら何度もレースのシミュレーションを繰り返しています。トランジションの手順も頭の中で繰り返すことで実際の時に焦らなくてすみます。
また、現地では試泳以外は運動しません。チェックインやバイク預託など必要最低限の行動以外はホテルで過ごし、とにかく休んでいます。
2018年4月9日
[…] ※過去記事:一般的なレース対策 […]